━ 青野ヶ原俘虜収容所展 in Tokyo 2009 に行ってきました ━
篠田和絵
11.7(土) 講演会・再現演奏会 17:00 OAGにて
11.12(木)〜21(土) 資料展 オーストリア大使館内
11月7日 (土)
OAGで行われた「青野ヶ原俘虜収容所展 in Tokyo」に行ってきました。
主催は神戸大学、小野市、オーストリア大使館。後援は習志野市教育委員会です。
2009年は、オーストリアと日本の友好交流140周年に当たります。
2008年9月神戸大学と小野市では、大変な苦労をして、青野ヶ原俘虜収容所展をウイーンにもって行って開きました。青野ヶ原にいた俘虜の中に、ハプスブルグ帝国のオーストリア・ハンガリー兵がいたからです。現在のオーストリア人たちにこのことを伝えようという目的です。
そして2009年今年、青野ヶ原は東京にやってきました。このことを東京から発信するためです。
次から次にお客様が入っていらっしゃいまして、あっという間に会場は熱気にあふれて、(ごめんなさい)少しびっくりしました。
講演会〜「青野ヶ原俘虜収容所の世界」
大津留 厚(神戸大学)岸本 肇(東京未来大学:神戸大学名誉教授)ヘルムート・ヘードル(グラーツ大学)の三人の方が、舞台の大スクリーンに映し出される90年前の珍しい写真を繰りながら彼らの生活について、その頃の日本の様子などを交えて話してくださいました。
見慣れた写真のつもりでしたが、大きなスクリーンで、説明を聞きながらあらためてみますとなかなか興味深いものでありました。
大津留先生の話の中に、俘虜がひまな時間を利用していろいろなものを制作したということで、器用に作られた灰皿が紹介されました。井戸の形をした灰皿にわたくしの眼は止まりました。2005年、青野ヶ原をお訪ねした時に、その井戸は実際に今も残っており、その前で写真を撮ったからです。
岸本先生は、見たことのない体操の写真を紹介してくれました。実にのびのびと体操は行われていました。
そうそう、ヘルムート・ヘードルさんは若い学生さんで、青野ヶ原の歴史に深く興味を持ち、現在神戸大学で勉強をされているんだという話でした。有望な若者です。
大津留先生の講演:
岸本先生の講演:
再現演奏会〜
「習志野 町の音楽好きネットワーク」の方が奏でるバイオリン「閉じておくれ、僕の眼を」が流れました。会場は美しい旋律にうっとりです。
この曲は習志野の俘虜、ハンス・ミリエスの作曲によるもので、望郷の念に駆られて眠ることが出来ない、僕をねむらせておくれと歌います。とは・・教育委員会の方から聞かされまして、いたく感動したものでした。歌をバックにミリエスのことが語られます。舞台の中央でソプラノ歌手が心をこめてこの子守唄を歌い上げます。じーん・・。再び流れる「閉じておくれ」に乗って習志野の俘虜の様子が語られました。
ホフマンの舟歌・舞踏への勧誘・アイネ・クライネ・ナハトムジークみなこの時代の歌です。
習志野 町の音楽好きネット有志の歌
習志野俘虜時代のミリエス
神戸大学交響楽団有志による演奏〜
青野ヶ原俘虜収容所で当時行われた演奏会は他の収容所と同様に活発でした。
その当時演奏されたコンサートのプログラムを再現します。当時は16人でしたので、16人で行います。最近生まれたと思われる若者ばかりの登場でしたが、演奏が始まると音楽の力は不滅だ!と思いました。100年前も今もこうだったと思いました。熱のこもった演奏で、真剣な演奏は素晴らしい音を響かせました。
それにもまして、思ったことは、当時のドイツ人の知性の高さです。演奏はそのことをびんびん伝えてきました。幸せな夜でした。
曲目:バグダッドの太守 序曲・巡礼の合唱・美しき青きドナウ・エグモント・
レブリ・軍隊行進曲一番
神戸大学交響楽団
11月12日 オーストリア大使館
資料展を開催しているオーストリア大使館に行きました。大使館などに行く経験はないので、楽しみにして行きました。麻布十番暗闇坂という坂の途中に大使館はありました。ここに来ただけで満足でした。
会場は、道路から見えていたので直ぐわかりました。
思ったより小さいスペースでしたが、青野ヶ原の生活を印す当時の写真がたくさん展示されていました。7日に大きいスクリーンで写真を見た手前、随分小さいなと思いました。しかし、これらの写真は皆、とても大事で、後世にずーと伝えていかなければいけないと、思いました。オーストリアが私にとても近く感じてきました。
オーストリア大使館
資料展 11月12日(土) オーストリア大使館にて
秋の日に。