村木眞寿美氏出版記念パーティ報告
2009年4月18日
篠田和絵
春雨が降る銀座に出かけました。今日はミュンヘン在住の作家、村木眞寿美さん書き下ろし、12冊目になる著、「ロースハムの誕生 アウグスト・ローマイヤー物語り」の出版発売記念パーティです。誰もが良く知るあのローマイヤー。久留米俘虜収容所にあの当時収監されていました。村木さんはローマイヤーの唯一存命の娘さんであるテアさんと知り合う機会に恵まれたことからローマイヤーの追っかけが始まったそうです。しかしローマイヤーは生涯に手がかりになるものを何も書き残さなかったそうで、探索は困難を極めました。長い時間が費やされ、この本は誕生したそうなんです。
友人ということで(光栄です!)私にもパーティへのお誘いがありました。この会は村木さんの小学校、中学校時代の同級生の方々が発起人です。後で知りましたが、村木さんの出たあの有名国立小・中学校は1年生から6年生までクラス替えなし、一人の先生が6年間受けもつのだそうで、皆さんとても仲が良く、まるで兄妹のような雰囲気です。しかし、その中で村木さんは50年間もの間、同級生と会っていなかったのでした。
大学卒業後、日本を離れ、現在まで村木さんの居場所はドイツミュヘンだったからです。
2000年代に入り、同級生の逆瀬川氏が、ひょんなことから書店で見つけた著書の名前から「村木眞寿美」を発見しました。氏はドイツへの所用の折に早速彼女に連絡、逢瀬の場所はアウトバーンのサービスエリアだったとか。会場で、あの時のことを話す逆瀬川氏は変わった場所での再会を楽しそうにお話しされました。以来、同級生たちのお付き合いが再開され、今回の出版パーティ発起となりました。
そんなわけでローマイヤーレストランの会場には二つの意味があり、一つはもちろん「ローマイヤーハムの誕生」の出版のお祝い、二つ目は50年ぶりに村木眞寿美さんを加えた同窓会でした。村木さんはご主人から離れ、20人近い学友とお話しに夢中、そして聞えてくるのは最初から最後まで「有難う」の連発でした。繰り返し繰り返し有難うとおっしゃっていました。多分目がうるんでいたと思います。
今回の出版パーティーに素敵な花を添えた人物に、アウグスト・ソフィー・ローマイヤさんがいらっしゃいました。彼女は俘虜であったローマイヤーさんのお孫さんです。日本に残ったローマイヤーは、日本で家族を持ちます。ソフィーさんは東京生まれの東京育ち、日本語と英語のバイリンガルで、ドイツ語は?今回の出版のことをとてもうれしく思うとお話されました。終始お話しと笑い声が絶えなく、あっという間に時が過ぎました。
和やかで、暖かいとても良いパーティでした。熱気は外の雨に程よく冷まされ、いい夜の銀座でした。