運動会でフットボールを楽しむ丸亀高等女学校の生徒の姿を写した写真=丸亀高校
大正時代に香川県立丸亀高等女学校(現・
丸亀高)の生徒たちが、はかま姿でサッカーを楽しむ写真が丸亀市立資料館と丸亀高で見つかった。正確な撮影年は不明だが、「なでしこジャパン」の活躍で注
目を集める女子サッカーの歴史を塗り替えるような写真で、30日に丸亀高に調査に訪れた日本サッカー協会の役員は「歴史的価値は高い」と評価している。
この写真は、大正時代に発行した絵はがきセットの一部とみられ、同資料館が所蔵している33枚のうちの2枚。丸亀城を背景に、現在の丸亀西中にあった丸
亀高女のグラウンドで、はかまの裾をしぼった女子生徒たちがボールを追いかけるはつらつとした姿が写っている。丸亀高でも探したところ、同じ2枚が見つ
かった。
丸亀高によると、この2枚は1920(大正9)年〜22(大正11)年の資料を入れていた袋の中にあり、うち1枚は21年ごろの運動会の写真とみられ
る。創立80周年の記念文集には20年の卒業生が「フットボールが好きで、大根足になって笑われた」と思い出をつづっている。
さらに、日本にサッカーが伝わったとされる1873(明治6)年の33年後の香川新報(現・四国新聞)には、丸亀高女の運動会で「フートボール(フットボール)」が行われたとの記事がある。
日本サッカー協会の小倉純二会長からの依頼で調査に訪れた同協会の嶋靖博常務理事は、「単にボールを蹴っているだけでなく、たすきをかけてチームに分かれて競技をしていることに驚きとうれしさを感じている」とコメント。
同協会は、日本の女子サッカーは神戸市で1966年にチームが結成され、翌67年に試合が行われたのが始まりとしており、「公式な記録は変わらないが、
もっと突き詰めれば香川が『なでしこの発祥』となるような話題。女子サッカーの歴史をひもとく上で大きな資料になる」と話している。
丸亀高の馬場康弘校長は「まだ調べていない資料もあるので、今後の調査で撮影年を特定したい。女学校にサッカーが導入された経緯なども調べてみたい」と意欲を示している。丸亀市もこの写真に関する情報や同様の資料の提供を、広報誌やホームページで呼び掛けている。